ニコラス・G・カーの『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』を読んでみた。
これは、以前から読んでみたいなぁと思っていた本。
世の中たいていのことは、新技術が開発されそのころは高価なサービスであっても
技術が枯れてきたことには、安価な価格競争へと突入していく。
いまや当たり前である、水道やガスや電気。
これだって昔は、高価なサービスであったはずであるが、
多くの人に対して普及するに従って安価なサービスへと代わって言った。
それぞれの会社もどうやったらより安価にサービスしていけるか
ということの結果であると思う。
ITも同じであるというのがこの著者の主張である。
ITのうちハードウェアはそこそこ安価に利用できる時代になってきてはいるが
いまだソフトウェアは高価なものである。
これは、人が手作りで作っているからどうしても価格が下げられないのであろう。
唯一価格を下げられるとしたらパッケージ製品だけ。
パッケージを使うことにより、費用を多くの人で分かち合えることにより
価格を下げていく。
ちなみにこの発想はどの業界でも同じ。
大量生産をすることにより、コストを価格を下げていくというのと同じ仕組み。
これを読むといままでIT投資に使われていたという金のほとんどが無駄だった
ということに気づくことが出来ると思う。
そして、最先端の技術に高額なIT投資を行ったところで得られるメリットというのは
ものすごく低いということも分かると思う。
ITなんていう魔法の言葉にだまされて、多大な投資をしていたという実態も
過去にあったみたいだけど、体外はそれほど効果が出ないらしい。
たとえば、水道設備のない時代に、水を手で運んでくれる人を
雇ってみるということを考えてみるといい。
当初は、これで始まったとしても、人間というのは効率化を追求する生き物でもあります。
やがてこの水を運んでくれるのは無駄だと思い、パイプを整備し、みんなが利用しやすいように
整備されていく。そうすると、当然安価なこちらのサービスを利用するようになる。
その時代が来たときに、水を手で運んでくれる人というのは不要になる。
この本の主張は。みんなが必要と思うサービスはやがては、共通化される
つまり、安価なサービスが出来上がってくるということになる。
つまりは、みんなが必要と感じるITサービスに関しては、サービスが出来上がってから
利用したほうがいいということになる。
IT投資について少しでも考えてみたことのある人は
読んでみるといいと思います。
また、私のようにITサービスに関わる人も読んでみるといいと思います。
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